クライアントと共に成長する努力が求められる
受託開発を成長させるには
IT技術が進歩することによって様々な業務のシステム化が定着しオフショア開発なども盛んになってきたことで、日本の受託開発の求人こそあっても、市場としては今後成長しないのではという懸念の声が聞こえるようにもなりました。確かに、受託開発を行う競合他社が増えたことによって、技術のコモディティ化が起きていることは否めないのが現状ですが、そこから新たな付加価値を携えて成長していくことができる可能性は高く、それを実行に移すかどうかが今後の生き残りのポイントにもなってくると予想されます。特に、受託開発を行う側が受け身になりすぎることなく、クライアントと共に意識を変革させていくことが必要になってくるでしょう。
コモディティ化していない部分を強みにする
受託開発を行う会社の多くは、それなりに高いレベルのシステム開発を行う技術力を既に持っており、他社との差別化を図りにくくなっています。そのため、既にコモディティ化している技術面で勝負していくのは厳しいのが現実です。システム開発を依頼する側にしてみれば、同じことができるならより安いところに依頼をしたいと考えるのは仕方のないことなので、受託開発を行う側は技術力以外のところで他社との差別化を図っていく必要があるでしょう。
システム開発に技術力は欠かせないのはもちろんですが、今となってはそれが当たり前のことになっている以上、エンジニアの創造性や企画力、コミュニケーション力など、人間としての個性を活かすことができる領域をいかに伸ばすことができるかが、受託開発を成長させる要素になってくるでしょう。しかし、受託開発はあくまでもクライアントの意向があってのことなので、人材の個性を活かすためにはクライアントとの協力関係が必要不可欠です。
今後の受託開発の行方とは
近年AIが様々な分野で活躍するようになってきましたが、Webサイトの構築から運用まで自動で行える技術も既に開発されています。この技術を活用すれば、エンジニアを介さなくてもシステム開発を行うことが可能になることを意味するので、受託開発を行っているエンジニアにとってはライバルのような存在にも思えますが、AIを業務に取り入れて上手に活用しながらビジネスの幅を広げることができれば、受託開発の今ある形を変化させながら成長させていくことが可能になるのではないでしょうか。特に、デザインなどのような人間の想像力に頼るところが大きい分野は、技術とは違ってコモディティ化されないようにも思えますが、IT技術の進歩によって新たな市場を生み出すことができるかもしれません。
このようにして考えていくと、今後の受託開発は依頼されたらその通りにシステムを作るという受け身の方法ではなく、クライアントと共同で新たなものを作り出すというスタンスでビジネスを展開していくという考え方が求められるようになっていくかもしれません。