依頼を受けてから全てが始まる
受託開発とは
企業や団体などの組織を運営する上で、ITシステムは今や欠かせないツールで、あらゆることがITシステムによって管理されています。どのようなシステムが必要になるかは企業や団体によって異なるので、自社にエンジニアを常駐させてシステム開発を行う企業などもありますが、それができない場合はシステム開発を行う会社に依頼することになります。そのような経緯で仕事を受注してシステム開発を行うことが「受託開発」です。受託開発は、テクノロジーの進歩やオフショア開発などの影響もあって、既存のやり方だけでは市場の拡大が難しいとも言われていますが、形を変化させながら成長する可能性はまだまだたくさんあるので、受託開発の求人が減ることはありません。
受託開発の仕事の流れ
受託開発では、クライアントからの依頼を受けて1つのプロジェクトがスタートします。依頼の内容は様々なので、まずはどのようなシステムを作りたいと考えているのかについてクライアントからヒアリングを行う必要があります。それから見積もりを作成し、予算やスケジュールについての話し合いに合意できたら開発に着手することができます。開発の途中では、クライアントに進捗状況を報告し、内容を確認してもらいながら作業を進めてシステムを完成させます。
クライアントとの打ち合わせから見積もりまで
基本的にヒアリングはSEが担当しますが、場合によっては実装を担当するプログラマも同席します。この段階でしっかりと要望を理解しておかないと、正確な見積もりを提示することができないので、ヒアリングはとても重要な工程になります。クライアントは、作りたいシステムのイメージを持っていたとしても、それを具体的に表現することが難しいことも少なくないので、ヒアリングを行うSEやプログラマは先方の要望を汲み取ったものを簡易的に形にして示して、お互いに同じものがイメージできるよう工夫する必要があります。
クライアントとの打ち合わせが終わったら、一旦話を自社に持ち帰って見積もりを作成していくことになります。見積もりは、依頼されたシステムを完成させるために必要な人数と工数を決めて「人月単価」で費用を算出しますが、人月単価は依頼内容の難易度などによって異なります。ここで正確な見積もりをきちんと作成するためにも、最初のヒアリングは丁寧に行うことが大切です。
開発から納品まで
費用面の合意が済んだら開発がスタートします。開発手法は会社によって異なっていて、SEが設計してプログラマが実装を担当するという分業体制を組んでいる場合もあれば、設計から実装までを1人のエンジニアがこなす場合もあります。納品までの間には何度も確認作業を繰り返し、必要な修正を加えながらシステムを完成させ、運用マニュアルを添えてクライアントに納品します。